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JASSOの支援する留学プログラム(トビタテ!留学JAPAN)の改善案

海外留学に関連して、トビタテ!留学JAPANという企画がある。これは、大学生などが海外に留学・インターンシップなどの就業体験を行って国際経験を積むのを金銭的に支援する(滞在活動費とお小遣い*1が出る)という半官半民プロジェクトらしい。

取り組み自体はすばらしいと思うのだけど、いろいろ改善の余地があるものだと思う。

まず、一番おかしいと思ったのは、奨学金の受給資格に世帯収入制限があることだ。単純にこの項目はいらないんじゃないかと思う。

ホームページの記述を見ると、この奨学金プログラムがメインターゲットにしているのは大学学部生くらい、年齢にして20代前半ということだと思う(年齢制限は30歳以下)。大学生の多くは親の扶養家族になっていると想像する(自分の観測範囲で言うと、90%くらいのフルタイム大学生は親の扶養家族に入ってる)から、ここで問題になるのは親の世帯収入だと思う。実際、大学生の子供のいる世帯の平均収入がどの程度なのか分からないので何とも言えないのだけれど、JASSOの第二種奨学金基準は結構緩い(人数にもよるが、世帯収入1,000万円を超える)から、留学を考えていてもこの部分に引っかからない人は結構いるかもしれない*2。でも、だからこそ、意味のない収入制限を設ける意味が分からないのだ。

一口に「奨学金」と言った場合、Need-basedとMerit-basedというのがある。Need-basedとは、いわば「お金のない人に支援します」というタイプの奨学金で、Merit-basedは、「優秀な人にお金をあげて頑張ってもらいます」というものだ。JASSOのプログラムは、ちゃんと書類も書かせているし、Merit-basedぽい制度運用を目指していそうなのだが、謎の収入制限がある=need-basedということなのか?ってことは、将来、支援を受けた人がCVに書くときにneed-based scholarshipになっちゃうんだろうなと思うとちょっとモヤモヤする。ちなみに、同じJASSOの長期留学支援プログラムはこの手の収入制限はない。正直、日本の国際競争力を強化したいと思うなら、収入制限・年齢制限*3は関係なく、能力のある人から重点的に支援すべきだと思う。

また、支援を受けた学生は名前と所属、(差し障りのない範囲で)どういうプロジェクトを行ったかを明らかにし、かつ報告書なども外から見える形で公表すべきだろう。モデルケースとして説明されてる例も、個人を特定できる内容はまったく見つけられなかった。どうして名前を出さないのだろう(国立大学 修士1年 男性 とか税所 篤快(さいしょ・あつよし)さんだけが名前と所属をちょろっと出してる)。犯罪者じゃないんだから名前と所属くらい出すべきだし、(この企画は半官半民だけど)JASSOは独立行政法人として、国の予算で運営されている団体なのだから、納税者に対する説明義務として、だれに予算をあげたか、せめて学振レベルで公にすべきかなと思う。

さらにもっと言うと、トビタテ!留学JAPANから支援を受けてたって履歴書・CVに書きたくないと思ってしまうネーミングの悪さにも問題がありそう。一応、正式名称は官民協働海外留学支援制度というらしく、きっとちゃんとした英語名もついてるんだと思うけど...

いずれにせよ、せっかくいい制度だと思うので、よりよい制度になるためにいろいろ頑張ってほしいし、こういう制度を利用して日本人がもっと海外で活躍できるといいと思う。

*1:Stipend=お小遣い。それ以上に最適な訳が思いつかない...給与じゃないしね

*2:実際、首都圏の一流大に通う学生の家庭なら、これを超えてる人たちも結構いそうだけど

*3:年齢ではなくキャリアで分けるべき