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研究者の見た目に注目が集まってしまうのは日本だけではない

先日、10年前に発射された探索機(ロゼッタ)が彗星に到達したというのが大きなニュースになったが、これに関連して、ちょっとした騒ぎになっている。


Twitter gets shirty about Rosetta scientist’s attire | Fashion | The Guardian

このプロジェクトに参加した科学者のDr. Matt Taylorが来ていたTシャツが性差別的ではないかということなのだ。結局、Dr. Taylorは涙を見せて謝罪会見をするということになった。


Rosetta scientist Dr Matt Taylor apologises for ‘offensive’ shirt | Science | The Guardian

以前、日本でもSTAP騒動で小保方晴子氏の容姿に関して注目が集まり、それに対して「日本のメディアは幼稚である」という批判が一部でなされた。

一晩中泣き明かした30歳若手女性研究者と書く我が国にはゴシップ新聞しかないらしい - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

しかし、イギリスでも(レベルは違うかもしれないが)似たり寄ったりの部分はある。例えば、先のTaylor博士が批判されたのは、彼のTシャツの柄が原因なのだが、その前に彼自身の'Cool'な科学者としてのイメージに注目が集まったように見受けられる(だからこそ、今回のような問題になったという面もあるだろう)。STAP報道の初期でも、いわゆる「リケジョ」騒動に対して批判は割合すぐに出てきていたように思う。性差別問題で日本が遅れているとか言われることは多いように感じるが、実際、報道のあり方を見ていると、日本がイギリスよりも特別に「遅れている」と日常生活で感じることはあまりない*1

結局のところ、尖った見た目のキャラクターが出てくると注目を浴びるというのはまだまだ世界中どこでも同じだし、それ自体は悪いことではないのだろう。その人自身の言動に問題があったり、見た目の報道のされ方が性差別的な視点を孕むときが問題なのだろう。

さて、イギリスでどんな「好ましくない報道の例」があるかというと、例えばこの記事が参考になる。イギリスでもまだまだ性差別的な言論がメディアでなされている、という問題点を指摘している。


Why are the media so obsessed with female scientists' appearance? | Alice Bell | Science | The Guardian

上の記事で批判されているのが以下の記事*2で、Susan Greenfield自身の容姿に言及した部分が問題なのだ(Susan Greenfield: 'I've always marched to the beat of my own drum' | Science | The Guardian)。

このような差別的な言説は正していく必要があるだろう。もちろん、差別問題は性差別だけではない。特にイギリス・アメリカのような、言葉の障壁が少なく移民でも比較的容易に仕事に就くことができる国では、メディア、そして科学者自身が情報発信する際にも「情報発信リテラシー」のようなものに気を配る必要があるだろう。

Why women in science are annoyed at Rosetta mission scientist's clothing | Science | The Guardian

ジェンダー論は詳しくないので不勉強な点があるかもしれないが、以上が今回の騒動を見て感じたこと。

*1:ただし、日常の暮らしやすさは違うように思う

*2:Susan Greenfieldは、上の記事の最初にもある通り、インターネットと自閉症の関係に関する言説が話題になることが多いので、こういう場面で取り上げられるのは予想していなかった